一言のちから

『あなたは今、皆から期待されているんだから』

 その言葉が心からのものかどうかはわからない。

 

 ただひとついえるのは、

 昨日何気なくかけていただいたその言葉が、後から思うと今なお、無能と無力感に満たされている自分としてはその日一番に大きく心に残り、本当に、本当に嬉しかった。

 人は、周りからのたった一言で大きくいい方向に変われたり、勇気づけられたり、逆に傷ついて落ち込んだりもする。

 今までの自分は事実をありのままに伝えることが大事だとか、表面的にだけでも肯定的な言葉を投げかければいい、などと思っていた節があった。
 

 ただ、

 
 実際は人により『1番今言われたいこと』『言われたら癒される言葉』は全然違ったりすることが多いことに最近気づいた。

 これまで気づかないうちに周りに暴言を吐いてなかっただろうか。
 お礼を言ってるつもりで内心全然気持ちがこもっていなかったことはなかっただろうか。 

 話をきいてるふりをして実は無関心な態度があらわれていたことがなかっただろうか。

 相手の社会的地位、外見などみたいところしかみず、真の意味で内面、本質をみようとしていただろうか?

 要約するならコミュニケーションにおいて目の前の人の本質に寄り添うことなく、表面だけのやりとりだけしかできていなかったんじゃないのか?

 それじゃいけないことを実は今年の夏、大きく思い知らされていたし、逆に誕生日の日に、尊敬する方から頑張ろう、と思える印象的な一言もメールでいただいていたんだ。
 

 また今日。

 以前仕事を共にした方から、珍しく職場の近況についてちらっとラインで伺った。

 短い内容、文字遣い、行間などから職場の今の状況、大体の人間関係、売上、本社との今の関係など瞬時に頭に浮かんで出てきた。

 が、

返信に30分〜1時間悩んだ挙句今の僕では、『色々あるけど私は元気です。そちらは大変だと思いますが、たまには休んでくださいね』というニュアンスのことだけしかお伝えできず、(つまりは、何と励ましていいかわからない)表現力が全くない自分の力不足を感じた。

 
 何気ない一言が、人を大きく変えうる。
 ときに人生に及ぼす変化は、、実はとてもとても、計り知れない。

 周りの人の気持ちに瞬時に寄り添い、察し、心から愛情のこもった一言で励まし、あるいは癒すことができる存在になりたいな。

 たった一言褒められただけですごくがんばるようになった人もいるはず。
 ひょっとしたらそのあたりに自分のなすべきことが隠れてるんじゃないか、と思う。