自分の弱い部分の存在を認めること

 

 「どんな剛の者でも真剣勝負は怖い。わしでもじゃ」

 「じゃが、その恐怖から目をそらさずに受けとめ、それを傍らにのけておくことができる」

「それが本当に強い者じゃ」

 

 井上雄彦さんの漫画「バガボンド」で槍の使い手、宝蔵院胤栄が武蔵に語った言葉です。

 

 バガボンドはずっと前に持っていた漫画で、今は手放しているのですが。

 

 色々考えていた時に、唐突にこのセリフとシーンだけ思い出しました。

 

 このセリフの「恐怖」は「不安」とも「現実」とも置き換えることができるでしょう。

 消し去るのでもなく、無視するのでもなく、傍においておくこと。

 

 もし何にでも陰と陽が一つで存在足り得るのなら

 恐怖や不安など自分の弱い部分もしくは陰の部分と、そうではない(比喩的に)ポジティブな部分、陽の部分は必ず合わせて存在するものでしょう。

 

 最近、気づいたのは自分がその「弱いところ」にこれまでしっかりと目を配れていたかどうか。

 

 真の精神のつよさというのは、そういうところから生まれるのかもしれません。